「うちは何でも丁寧にやってます」――そう答えたのに、なぜか紹介が広がらない。その原因は、お店を“ひと言で言えない”ことにあるかもしれません。
「何でもできます」は、何も覚えてもらえない
人は一度に多くの情報を覚えられません。「肩こりも腰痛も産後ケアも美容整体も」と並べるほど、聞いた側の記憶には何も残らなくなります。物語や一言にまとまった情報は、事実の羅列より記憶に残りやすいとよく言われます。強みを絞ることは、お客さんを減らすことではなく“思い出してもらう入口”をつくることです。
ひと言メモ:メニュー表を見ながら「一番頼まれるもの」を1つだけ丸で囲んでみましょう。
紹介は「ひと言で言える店」にしか起きない
口コミや紹介は、お客さんがあなたのお店を“代わりに説明してくれる”ことで生まれます。熊本のある美容室では、「髪のことなら何でも」をやめ、「くせ毛を活かすカットの店」と言い切るようにしました。すると「くせ毛で悩んでる友達がいて」という紹介が目に見えて増えたそうです。お客さんが15秒で人に話せる言葉を、先に用意しておくのがポイントです。
ひと言メモ:常連さんに「うちの店、友達にどう紹介してます?」と聞いてみてください。答えにヒントがあります。

言葉は「誰の・どんな悩みを・どう変えるか」で作る
難しいキャッチコピーは不要です。「誰の」「どんな悩みを」「どう変えるか」の3つを埋めるだけで、お店の軸になる一文ができます。川沿いの小さな民宿なら「一人旅の女性が、川の音で眠れる宿」。こうした言葉があると、ロゴや写真、SNSの投稿まで迷わず選べるようになります。
ひと言メモ:完璧を目指さず、まずは3パターン書き出して声に出して読んでみましょう。

決めた言葉は、すべての接点でくり返す
せっかくの一文も、看板とホームページとInstagramでバラバラでは定着しません。名刺、店頭POP、Googleビジネスプロフィールの説明文、スタッフの自己紹介まで同じ言葉を使うことで、少しずつ「あのお店=これ」という印象が育ちます。私たちYellow Jokeでも、デザインに入る前に必ずこの“ひと言”をお客さまと一緒に言葉にしています。
ひと言メモ:今日から電話応対の最初のひと言に、その一文を添えてみるのもおすすめです。
お店の“ひと言”は、一度決めたら終わりではなく、お客さまの反応を見ながら磨いていくものです。まずは「で、何のお店?」と聞かれたときの答えを、15秒以内で言える一文にするところから始めてみてください。
